顔面神経麻痺の後遺症:顔面神経麻痺後拘縮、顔面神経麻痺後病的協調運動について
顔面神経麻痺とは表情を作るための筋肉が麻痺して動かない状態を言います。主には目が閉じにくくなったり、口が閉じにくくなったりします。顔面の痛みや感覚の障害ではありません。
頭が原因ではない末梢性の顔面神経麻痺の治療は耳鼻咽喉科で治療しますが、顔面神経麻痺の治療後、発症数か月たってから病的共同運動や顔面拘縮といった後遺症を残すことがあります。
病的共同運動とは目を閉じたら意図せず口が動いたり、逆に口を動かしたら目が閉じてすあうような症状のことを言います。また顔面拘縮とは顔面の表情を作る筋肉が短縮してしまっている状態です。それにより目の開きが悪くなったり、口が曲がってしまったりする症状になります。当院ではこれらの後遺症に対してボツリヌストキシンによる治療を行っています。(自費診療となります)
ボツリヌストキシンは筋肉に注射することにより筋肉の動きを弱くする働きがあります。ボツリヌストキシン治療は顔面神経麻痺発症からおよそ一年以上経過した患者様に行っており、原因となっている筋肉に注射することにより短くなっている筋肉を伸ばしたり、病的共同運動を軽減します。
注射の効果はおよそ3から4か月持続し、その後症状に応じて再度施術を行います。
料金
55000円(税込み)
副作用
表情がつくりにくい、表情の違和感(例:まぶたが重い、目が開きづらい、目が明けにくいなど)。
注射による内出血、痛み。
まれに腫れ、感染症状、硬結、かゆみ、疼痛、発疹、頭痛、アレルギー症状などが出現することがあります。
繰り返していると、稀に耐性が生じ、効果が出なくなることがあります。
脱力感、筋力低下、めまい、視力低下が現れることが稀にあります。