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風邪をひいたら内科? 耳鼻科? どちらに行きますか?

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風邪が長引いているだけと思っていても、実は上咽頭炎(じょういんとうえん)や副鼻腔炎(ふくびくうえん)になってしまっているケースはとても多く、ただの風邪とは治療法が変わってきます。そのため、ファイバースコープでしっかりと診断し、適切な治療を受けることが大切です。

 

福岡県久留米市にある”まさあき耳鼻咽喉科と美容のクリニック”です。

今回は最もよくある病気”風邪”についてです。

いわゆる風邪症状が出たとき、上気道(鼻から喉)と下気道(気管から肺)のどちらの炎症の可能性が高いでしょうか。それは圧倒的に「上気道の炎症」です。具体的に言うと、風邪症状の9割以上は上気道の炎症と考えて差し支えありません。

上気道は、耳鼻科医が日々向き合っている専門領域です。鼻水、痰、咳、のどの痛みなどで耳鼻科を受診した場合に何が違うのかを詳しく説明します。

専門領域だから「見える範囲」と「診断の精度」が違う

〈上気道の診察方法〉

内科:主にペンライトで、のどの入り口(中咽頭)までを視診します。

耳鼻科:「ファイバースコープ」という細いカメラを使い、内科では見ることのできない鼻の奥(副鼻腔の入り口)、のどの突き当りである「上咽頭」、さらに奥の「下咽頭・喉頭(こうとう)」まで直接、鮮明に観察できます。

風邪をひいたとき、症状が軽いうちは市販薬で様子見をし、なかなか治らずつらくなってからクリニックを受診する方が多いのではないでしょうか。その頃には、ただのウイルス性「感冒」から、細菌感染を伴う「上咽頭炎」や「副鼻腔炎」に悪化している可能性があります。実際、風邪症状で受診された多くの患者様をファイバースコープで診察すると、副鼻腔炎や上咽頭炎になっていることが非常に多いのです。

「のどが少し赤いですね、風邪ですね」と診断されても、実はその奥の上咽頭で膿がべったりと付着するようなひどい炎症が起きていることは、決して珍しくありません。この「隠れた炎症」こそが、長引く不調の本当の原因なのです。

下の画像は45歳男性の画像です。咽頭痛を主訴に来院されました。

喉を見たところ少し赤いかなという程度ですが、ファイバースコープで見ると上咽頭にべっとりと膿が付着していました。このような事はよくあります。

的確な診断で「最適な治療」ができる

この「見える範囲」の違いは、治療法に決定的な差を生みます。

ウイルスが原因の「感冒」であれば、抗生剤は効果がなく不要です。しかし、ファイバースコープで細菌による膿が確認された副鼻腔炎や上咽頭炎の場合、抗生剤による治療が必要となります。

耳鼻科では、患部を直接見て「抗生剤が必要か否か」を的確に判断できるため、不要な薬を避け、本当に必要な治療だけを速やかに受けられます。
また、「咳が止まらない」という症状も、副鼻腔炎などによって鼻水がのどに垂れる「後鼻漏(こうびろう)」が原因であるケースが非常に多いです。耳鼻科では患部を直接見てこれを診断することができます。

その場で受けられる専門的な「処置」ですぐに楽になる

耳鼻科の大きなメリットは、薬の処方だけでなく、その場でつらい症状を和らげる専門的な処置を受けられる点です。

  • 鼻水の吸引:奥に溜まった鼻水を吸引します。鼻づまりが解消されて呼吸が楽になるだけでなく、細菌の温床となる鼻水を取り除くことで、治癒を早めます。
  • ネブライザー(吸入)療法:抗炎症薬などを霧状にして、鼻やのどの患部に直接届ける治療です。飲み薬よりもピンポイントで、かつ速やかに効果を発揮します。
  • 専門的な洗浄や薬剤塗布:このほか、患部を洗浄したり、直接薬剤を塗布したりする処置も可能です。

危険な病気の早期発見が可能

のどの痛みを訴える患者様の中には、時に命に関わる「急性喉頭蓋炎」を発症している方がいます。この病気は重症化すると窒息し、死に至ることもある危険な病気です。ファイバースコープで診察することで、急性喉頭蓋炎の有無を迅速に確認できます。

のど・鼻の症状が主役の風邪は、耳鼻科受診を

風邪は「万病のもと」と言われ、特に中耳炎や副鼻腔炎(蓄膿症)といった厄介な合併症を引き起こしやすい病気です。耳鼻科であれば、これらの合併症の兆候も早期に発見し、悪化する前に対処できます。

一方、激しい咳、息苦しさ、胸の痛み、高熱や腹痛、全身の倦怠感など、下気道の炎症が疑われる場合や、全身的な症状がある場合は内科が適しています。しかし、「のどの痛み」「色のついた鼻水」「鼻づまり」「後鼻漏」「長引く咳」といった鼻やのどの症状が主役の場合は、ぜひ耳鼻科を受診してください。

専門医による正確な診断と的確な処置で、つらい風邪の症状から一日も早く解放されましょう。


参照

  1. American Academy of Otolaryngology—Head and Neck Surgery (AAO-HNSF)
    Sinusitis (Sinus Infections)
  2. American College of Physicians (ACP)
    Appropriate Antibiotic Use for Acute Respiratory Tract Infection in Adults
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